家族4人の間取り、どう決める?
・たたき台はプロにお任せ
さて、夫婦と小さな子供2人の4人で注文住宅の間取りを考える場合、どんな決め方を採用すれば良いでしょうか?
例えば全員の希望をゼロからどんどん書き出して、それをそのまま住宅に具現化した夢の家を…というのも、できないわけではないでしょうが、あまりに短絡的です。
極論すると、4歳の息子は家の中に備え付けの滑り台なんかがあれば大喜びするでしょうが、2、3年後には使われなくなるでしょう。
完成してから50年間住むとして、あとの40年以上は無用の長物になります。
オススメはプロの施工業者にたたき台となる案を出してもらい、それをベースに自分たちのこだわりを足したり引いたりするような進め方でしょうか。
何事にも基本となる「形(カタ)」があります。
一見して「普通」「詰まらない」と映っても、それは先人たちの試行錯誤の成果であり、いろいろな合理性が隠されています。
小学生が円の面積を数秒で計算できるのは円周率と面積の公式を覚えているからです。
「自分はオリジナル公式を考える」なんて言っていたら、卒業までに1問も解けないでしょう。
プロの方に基本を教わってこそ、自分のこだわりに集中できるのです。
・「100%満足」は無理?
では、たたき台はプロにお任せするとして、私たちはどのようなスタンスで間取りの検討に臨むべきでしょうか。
まずは「100%満足できる家はつくれない」という前提を持つことが大切だと思います。
そう言うと「何千万円という大金を払うのに!」と反発を招きそうですが、前回の記事に書いた通り、住宅に住む私たちは年月と共に家族構成や住まい方、価値観が変わっていきます。
当然、その時々に最適な住まいの在り方は変わるはず。
現在の事情に合わせすぎた間取りにしてしまうと、逆に後々の不満足を招きかねません。
ある程度は割り切った上で肩の力を抜き、汎用性の高い間取りにしておいて、状況が変わる度に、家具の追加や簡単なリフォームといった後付けの調整で住みやすくするなどの方法を検討してみてもいいでしょう。