希望の間取りは暮らし方で変わる
・在宅ワークへの対応も必要か
具体的な間取りの検討に入るに当たり、考えなければならないのは、自分たち家族の「暮らし方」です。
やや漠然とした言い方に聞こえるかもしれませんが、例えば仕事や趣味、子どもの学校生活の面から便利な間取りを考えてみるということです。
新型コロナウイルスが世界的に拡大し、人々の働き方は大きく変わりました。
これまでは「リモートワーク」「在宅ワーク」といった言葉こそあるものの、実践は有耶無耶にされたまま普及しませんでした。
ところが、コロナ禍で一気に浸透し、私の友人の会社は原則として在宅ワークになって出社は2週に1度となりました。
そうなると、自宅でオフィスに近い環境を整備する必要があります。
それは例えば1人で集中できる個室であったり、パソコンやプリンターなどを設置するスペースの確保であったりするわけです。
そうした場所はリモート会議に備え、周囲の雑音が届きにくい場所に設けるのが理想です。
子どもの声を聴くと気持ちが和みますが、さすがに四六時中、子どもの声が気になっていては仕事になりませんからね。
これからの時代、職種によっては書斎スペースの充実が必要かも知れません。
私は子どもが小さい頃は子ども部屋を仕事スペースに活用し、子どもが大きくなったら、今は子どものおもちゃが散乱している和室を仕事スペースに交換しようと考えています。
・子どもの部活に合わせる?
注文住宅を建てるなら、自分の趣味を間取りに生かすこともできます。
自動車やバイクが趣味の方は車庫が家に組み込まれたようなインナーガレージにして、自分の愛車を眺めながらリビングでくつろげるようにしたり、ガーデニングできる庭を家の正面と裏手に広めに確保したり。
音楽好きなら防音性能の高い小部屋があってもいいですね。
この趣味に合わせたカスタマイズは子どもの部活動にも応用できます。
吹奏楽部に入る子には防音性能の高い部屋は最高でしょう。
運動系の部活動をする子は専用シューズや道具が年齢に合わせてどんどん増えるので、靴箱やシュークローク、外部物置が大きい方が良いかもしれません。
もっとも、建築時に子どもが幼く、将来のことまで分からない場合もありますから、そうしたことに後々対応できるよう間取りにゆとりを持たせておく、というのが大切なのかも知れません。